赤ちゃんの耳そうじについて

「子どもの耳そうじだけで耳鼻科に通院してもいいのですか?」とご質問いただくことがあります。詰まった耳あかを除去するのは医療行為ですし、耳を傷つけず耳そうじを行うために、耳鼻科を受診していただきたいです。どうか遠慮なく受診ください。

赤ちゃんの耳あか

赤ちゃんや子供の耳はまだ成長途中で耳の道が短く、代謝も活発なので、大人に比べて耳あかがたまりやすい特徴があります。また耳の穴が小さくて掃除が難しいです。逆に耳あかを奥に押しこんでしまうこともあります。
声をかけても反応がうすい、聞こえにくそう、耳を気にしてよく触る、などの場合は、耳あかが詰まっている可能性があります。

赤ちゃんの耳そうじ

ご自宅でお子様の耳そうじを行う場合は、ガーゼや柔らかい綿棒を使い、耳の入口を優しく拭き取るようにします。耳の奥まで掃除すると、耳の中を傷つけて炎症を起こすことがあるので注意が必要です。
生後6か月ごろまでは胎脂という汚れがあるので、沐浴の際に見える範囲だけを優しく掃除してあげることをお勧めしています。その後、徐々に自浄作用が働き始め、自然に耳あかを外に運べるようになるので、毎日耳そうじをする必要はありません。どのくらいの頻度で行うのが良いのかは個人差がありますが、耳そうじを頻繁にすることでトラブルが生じることもあるので、気になる場合は耳鼻科を受診してみてください。

耳垢栓塞(じこうせんそく)とは

日本人の約85%が乾燥したタイプの耳あか、約15%が湿ったタイプだと言われています。
特に湿ったタイプの耳あかは、べっとり耳の中にへばりつくので掃除が難しく、耳垢栓塞といって耳をふさいでしまうことがあります。この場合は耳鼻科で処置をして耳あかを取り除くことが必要です。

耳鼻科での耳そうじ

当院では耳鏡や専用の先が細いピンセットと顕微鏡などを使って耳の中を傷つけないように耳あかを取り除きます。また、その際に外耳炎や中耳炎がないことも確認させていただきます。「耳そうじだけで受診してもいいのかな?」とお考えの親御様もいらっしゃるかもしれませんが、全く問題ありませんのでお気軽にご相談ください。

2022年07月12日