アレルギー性鼻炎、花粉症について
●アレルギー性鼻炎とは
鼻から侵入したアレルゲン(アレルギーの原因)物質に体が免疫反応を起こしている、鼻のアレルギー状態のことです。反応が過剰になると、くしゃみ、鼻水、鼻詰まりなどの症状が起こります。
アレルギー性鼻炎は通年性アレルギー性鼻炎と季節性アレルギー性鼻炎の2つに分けられます。通年性はダニ、ハウスダスト、イヌ、ネコなどが原因で、年間を通して症状がでるアレルギー性鼻炎です。季節性は花粉症のことで、スギ、ヒノキ、ブタクサ、イネ科植物、シラカバなど特定の季節に主に発生する花粉で症状が現れます。
日本人はスギ、ダニ、ハウスダストアレルギーが特に多いと言われています。
●アレルギー性鼻炎の主な症状
アレルギー性鼻炎の3大症状として、
- くしゃみ
- 鼻水
- 鼻詰まり
があります。初期の風邪症状と見分けがつきにくいことがありますが、鼻水はアレルギー性鼻炎の場合、サラサラの透明な鼻水であることが多いです。
その他に、
- 目のかゆみ
- 皮膚のかゆみ
- 喉がかゆい、イガイガする
- 頭重感
なども生じることがあります。特に花粉症の場合、目のかゆみが出やすいと言われています。
●治療法
・抗アレルギー薬
アレルギー症状を抑える効果があります。抗アレルギー薬は種類が多く、ドラックストアなどで購入可能なものもありますが、症状によって適切な薬を選ぶことが重要です。また、人によって効き方も違います。患者さんのつらい症状が早く改善するよう、当院では詳しくお話を聞いた上で、お薬選びを行うようにしています。
・点鼻薬
鼻にスプレーするお薬です。ドラックストアで販売されているものは基本的に血管収縮作用のあるもので、一時的に鼻が通りますが、2週間以上使用すると鼻がより詰まる原因になることがあり当院ではお勧めしていません。当院で処方するのは主にステロイド系のものです。ステロイドは即効性がありませんが、継続すると粘膜をバリアする効果があり、徐々に強く効いてきます。後日、薬剤により鼻づまりが起こることもありません。
・漢方薬
理事長は漢方専門医であり、その他の医師も必要に応じて漢方薬をお勧めすることがあります。ご希望の場合にはご相談ください。
●予防と日常の対応方法
アレルギー性鼻炎の場合、お薬を飲めば症状は治まりますが、アレルゲン(原因物質)を除去することも有効です。ご自身のアレルギーの原因を知るために、アレルギー検査をご希望の場合にはその旨を診察時にお伝えください。
花粉症の場合には、花粉の飛散前からお薬を飲み始める初期療法も効果的です。他には、マスクや帽子の着用、洗濯物の部屋干し、空気清浄機の利用、24時間換気の停止なども有効です。
通年性アレルギー性鼻炎(ダニ、ハウスダスト)の場合は、こまめな掃除、寝具の水洗いや乾燥機による乾燥が有効です。外干しをしてもダニは除去できません。
このようにアレルゲンを知り、それにあった対応をするだけでも症状を緩やかにすることができます。
●舌下免疫療法
舌下免疫療法とは、スギとダニアレルギーに対して毎日少しずつ原因物質を服用することで、体質改善を図る治療法です。約8割の方が効果を感じる保険適応の治療なので当院でもお勧めしています。
詳しくはこちらから→https://sjclinic.jp/shinryou/zekkameneki
2023年04月12日