副鼻腔炎(蓄のう症)
●副鼻腔炎とは
副鼻腔炎の多くはウイルス風邪に感染した後に、副鼻腔が細菌感染を起こして発症します。他にはアレルギー性鼻炎が悪化して発症する場合があります。下記の図のように、副鼻腔は4つの場所(上顎洞・篩骨洞・前頭洞・蝶形骨洞)に分かれています。これらを合わせて副鼻腔と呼びます。副鼻腔炎は副鼻腔の空洞部分に炎症を起こして粘膜が腫脹し、場合により膿が溜まっている状態を言います。
急性副鼻腔炎を何度も繰り返し、慢性的に副鼻腔が炎症を起こしている状態を慢性副鼻腔炎といい、通称ちくのう症とも呼ばれます。稀に抜歯や歯の治療をした穴や傷口から細菌が侵入し副鼻腔炎になることもあります。
●副鼻腔炎の症状
急性副鼻腔炎の主な症状として、
- ドロドロした鼻水
- 鼻詰まり
- 鼻がにおう
があります。副鼻腔の膿が溜まる場所によって、
- 目の痛み
- 頭痛
- 頬が痛い、重い
- 頭重感
などがあります。
場合によっては鼻腔から膿がのどに流れて、
- 後鼻漏
- 咳
- 痰
が生じます。
風邪症状が先行した後に症状が出現することが多いです。
●診断と治療
当院では症状を伺った上で、必要に応じてファイバースコープで直接鼻の中を確認し診断します。手術を必要とする可能性があるとき、症状の割に所見が明確でないときには、CTを院外で撮影いただくことがあります。
・抗菌薬
副鼻腔炎は抗菌薬による治療を行います。風邪だと判断してなかなか治らない場合は副鼻腔炎の可能性があり、抗菌薬ですぐに良くなることが多いです。症状が改善しても抗菌薬は飲み切るようにしてください。自己判断で停止すると残っていたウイルスや細菌が再度増殖し症状がぶり返すことがあります。慢性副鼻腔炎の場合、抗生物質を少量として長期(~3か月)に投薬する場合があります。
・ネブライザー
副鼻腔炎にはネブライザーも有効です、鼻の炎症がおさまりやすくなります。
・手術療法
どうしても投薬と処置で症状がおさまらない場合には、手術をお勧めすることもあります。その場合は適切な病院へご紹介いたします。
大半は慢性化せず治癒しますが、副鼻腔にカビがある場合、ポリープ(鼻茸)がある場合など時間がかかる場合もあります。放置すると慢性化する病気ですので根気強く治療しましょう。
2023年04月12日